読者の皆様へ

 

子どもが被害者や加害者になる“子ども事件”が後を絶ちません。子どもが被害者になった事件では、犯人が捕えられていない事件や被害者の子どもが見つかっていない事件もあります。子どもの生命(いのち)が奪われ、どうして我が子が、という親の心。子どもが連れ去られ、どうなっているのか分からない、という家族の苦悩。そんな親や家族、周りの人々の怒りと悲しみを思うとき、僕にできることは詩を書くことでした。(「はなしてください」など)

毎年3万人以上の方が自殺で亡くなっています。逃げ場の無い苦しみの中で自殺された方の周りには、その人を大切に思っている多くの人がいます。その両者の苦しみと悲しみを思い、自殺しようと考えている人に向けての詩を書きました。(「花は咲く」など)

若い人に、自殺をしたり、子ども事件の加害者になったり、という将来を迎えてほしくない。友人や添人(そいびと)と支え合い愛し合って、“楽しい人生、最高の人生”を生きてほしい、と思って幾つかの詩を書きました。

そのほかにも、いろんな思いや考えで書いた詩が入っています。そして写真もあります。写真家になりたい、と若い時に思ったことがありましたが、今は、写真も撮る詩人でいいと思っています。

暴力する心を変えられるのは、愛と優しさだけだと思っています。怒りと悲しみの心を癒すのも、やはり愛と優しさしかないと思うのです。そんな思いで作ったこの本が、沢山の人の心に届くことを願っています。

 

髙木いさお

 

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