はじめに

 

 僕は、すべての子どもが毎日笑顔で暮らせる社会にしたい、と思って詩を書いています。しかし、そんな社会は子どもたちの周りにいる大人たちが幸せでないと実現しない、と思うのです。だから僕は、すべての子どもとすべての大人の幸せのために詩を書いています。

 

 児童虐待、いじめ、引きこもり、自傷行為、自殺、万引き、援助交際、性犯罪、暴力事件、殺人事件、経済格差、教育格差、……。子ども社会で今起こっている沢山(たくさん)の問題のすべてについて書いているわけではありませんが、僕は子どもに関わる幾つもの問題を詩に書いています。そんな僕の詩は、教育詩と呼ばれたり哲学詩、人生詩、と呼ばれたりしています。そのせいか、先生や教育関係者、そして子育て中の子どもを持つ親御さんの読者が沢山おられます。

 その先生や親御さんと話していると、忙しさや相談する人がいない大変さを訴える方が多くいらっしゃいます。そんな方々に教育の場や家庭で活用していただけたらと思って編んだのが、この教育詩集です。もちろん、子どもに関わる問題の多さと複雑さのすべてが僕の詩で解決されるわけではありません。しかし、解決のためのヒントになる詩が幾つもあるはずです。具体的な方法だったり、根本的な考え方だったりですが、この詩集を読んでくださった多くの方々に「この詩集は、読まなかったらすごく後悔する本だ!」と感じていただけると思っています。

 この教育詩集は、先生に読んでいただきたい詩、親御さんに読んでいただきたい詩、先生や親御さんから子どもたちに読むように勧めていただきたい詩、を合わせて104編で編まれています。

 僕は、「詩を書いているから詩人なのではなく、詩のある生き方をしているから詩人なのだ」と思っています。「書こうとして書くのではなく、詩のある生活から自然に湧き出てくるのが詩だ」と思っているのです。ですから僕の詩も、書こうとして書いたのではなく、普段から心にある伝えたい思いが湧き出て詩になったものなのです。僕の詩は、自らの詩的感性を読者にアピールするためのものではありません。具体的に伝えたいことがあって書いている詩なのです。

 この詩集が、沢山の先生や親御さんの支えになり、沢山の子どもたちの毎日の笑顔のために役立つことを願っています。

 

2016年夏 髙木いさお

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