2015年7月


某日〉 今までに何度も新聞社からの取材を受け、それが記事掲載された。だが今回は初めての新聞社からの原稿依頼だった。中国新聞セレクトの第1面のコラム『想』の原稿は、1行14文字で60行の分量で、内容は自由ということだったので、僕は僕自身とヒロシマの関わりについて書くことにした。8月1日から4日まで、3泊4日で“被爆70年”の広島へ行く予定だ。“ヒロシマの心を忘れてはいけない”ということを日本中、世界中へ伝えるために書いた詩「8月6日」など、平和を願う4篇の詩を印刷した『ヒロシマペーパー』を沢山の方に原爆ドーム前で手渡しするつもりなので、7月中の新聞掲載をお願いした。僕の文章の載った新聞は7月28日に出た。原稿と共に送信した僕の笑顔の写真は、カラー印刷されていた。



某日〉 実は7月28日のことだ。僕の書いた文章が掲載された新聞をいただくために、大阪市北区にある中国新聞の大阪支社へ伺った時のことである。ビルの5階へ上がるためのエレベーターに乗り込んだら、若い女性と2人きりになった。ブレザーを着た僕は色の濃いサングラスをしていた。支社の扉前で普通の眼鏡に替えるつもりだったのだ。そんな見ず知らずのサングラスの僕に、就活スタイルのその若い女性が、「暑いですね」と声を掛けてきたのだ。「本当に暑いですね」と答えた僕は彼女と短い会話をし、5階をすぎた6階で一緒にエレベーターを降りた。その場でもう少し会話をし、彼女が和歌山から面接に来ていることや、僕が詩人であることを話し、僕が撮った写真で作ったポストカードと抜粋版をプレゼントして、「就活頑張ってくださいね」と言って別れた。後で、添人や子ども出版のAちゃんに、「エレベーターで色の濃いサングラスをした知らない男性に、あんな若い女性がよく声を掛けてきたなあ」と話した。

 

 

 

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