2014年11月


某日> 僕が初めて観た任侠映画は、1970年公開の『昭和残侠伝 死んで貰います』だった。監督はマキノ雅弘。主演は高倉健。共演は藤純子、池部良、長門裕之。友人と2人で千林か京橋辺りの映画館で観た。2本立てだったが、もう1本が何だったかは忘れてしまった。『死んで貰います』は、美しい映画だった。マキノ雅弘の美意識が、動く絵としての美しい映画になっていた。この作品に感動した僕は、高倉健を追いかけ、任侠映画を追いかけ、マキノ雅弘を追いかけるようになった。高倉健の映画は、任侠ものを中心に80本ぐらいは観たと思う。任侠映画は分からない。261本の監督作があるマキノ雅弘作品は、半分ぐらいは観ているだろうか。それらのすべての映画の中で、僕の一番を選ぶとしたら、やはり『昭和残侠伝 死んで貰います』になる。初恋が一番美しい思い出になる、というのではなく、たまたま初めて観た任侠映画が素晴らしい映画だったのだ。初めての任侠映画が『死んで貰います』じゃなかったら、任侠映画は、ゾンビ映画やスプラッター映画のように“僕が基本的には観ない映画”になっていたかもしれない。でも、初めて観た任侠映画が『昭和残侠伝 死んで貰います』というのは、僕の運の良さを証明する幾つかのうちの一つである。この美しい映画の主演男優、高倉健も美しかった。



某日> 7年前の11月12日から18日の一週間、子ども出版刊『愛することと優しさについて <携帯版>』が紀伊國屋書店京橋店の週間売れ数ベスト10の棚に置かれていた。すべての本の中で携帯版がベスト6位だったのだ。携帯版は2006年、2007年、2008年と3年連続で京橋店の詩集部門で一番の売れ数だった。1,000冊は売れたと思う。だが今、京橋店には僕の詩集が一冊も置かれていない。2005年8月10日、紀伊國屋書店京都店(今はもうないが)の店長O氏が携帯版をパラパラと読んで、「これは売れます!!」と言ってくださった。そしてすぐに、紀伊國屋書店の梅田本店、京橋店、高槻店、京都店、本町店で置くように指示してくださった。携帯版は、置いてくださったすべての店で、詩集部門年間売れ数第1位となった。紀伊國屋書店で置かれているということで、旭屋書店本店(今はもうないが)とブックファースト梅田店(今はもうないが)でも携帯版を置いていただき、その両方でも詩集部門年間売れ数第1位となったのだ。詩集部門とはいえ、置いていただいたすべての書店さんで、週間ではなく年間で第1位となった。全国一売れることもある、あの紀伊國屋書店梅田本店では、2位、3位の3倍、4倍というぐらいの売れ数644冊で、売り場の担当女性から「ダントツです!!」との言葉をいただいた。平置きや面置きにしていただければ年間1位を取れる僕の詩集は、携帯版だけではないと思う。だが、京都店のO氏のように、自ら本を手に取って中身で判断せず、マスコミの評判や宣伝の大きさで本を並べることが主流なのだ。現在、僕の一番新しい詩集、飛鳥新社刊『愛することと優しさについて』を面置きしてくださっているのが確認できているのは、ジュンク堂書店千日前店、ジュンク堂書店難波店、水島書房くずはモール店、の3書店さんしかないのだ。そんな先日、紀伊國屋書店のO氏がこの春、定年後の嘱託期間も終えて退社されたことを知った。いろいろお世話になった10年間だった。ありがとうございました。本当にありがとうございました。でも、O氏のおられない紀伊國屋書店はどうなるのだろうか。


 

某日> 異種格闘技戦という言葉がある。肉体を使わないで、“恋愛もの”という条件での異種格闘技戦というのを考えてみた。映画、TVドラマ、小説、短歌集、詩集、などの恋愛ものを戦わせるのだ。で、結論なのだが、チャンピオンになるのは僕の恋愛詩集『らぶそんぐ』だと思う。111篇の恋愛詩という量もさることながら、ひりひり、わくわく、ほんわか、などいろいろな恋愛感情が読み手に伝わる、内容充実の恋愛詩集なのだ。だから、クリスマスやバレンタインデー、誕生日や記念日、感謝の気持ちを表したい時や愛を告白する時、そんな時にするプレゼントに最適の詩集だと思う。『らぶそんぐ』と花束、または『らぶそんぐ』と枯れない花束としての『こどものためにあいうえお』をプレゼントしたら、老若男女を問わずに大喜びされるはず。信じられないなら、ぜひ一度してみてほしい。

 

 

 

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