2013年7月

〜7月の出来事〜

 人が生きていると人と出会います。人と出会うと喜びや驚きや悲しみや怒りがあります。人と付き合っていると傷つけることもありますし、傷つけられることもあります。優しくしてあげることもありますし、優しくしてもらうこともあります。

 そんな人とのさまざまな関わりの中でも、とりわけ大切な人との関わりがあります。長い年月の関わりの中では、多くのうれしい出来事と多くの悲しい出来事を体験することがあります。そしてある日、「もう付き合ってはいられない。」と思い定める時が来たりするのです。

 この7月の終わりに、そんな日がありました。僕の人生にとって最も大切だと思ってきた人にそんな思いを伝えたのです。その人は長い時間泣いていました。それでも僕は、「でも終わりなんだよ。」と伝え続けました。変わらないその人をもう受け入れられない僕がいたのです。変わろうとしないその人を待ち続ける意味がないことを確信した僕がいたのです。

 ところが、「僕のそばで頑張ってみますか?」という言葉が突然出たのです。自分でも驚いていると、その人はすぐに首を縦に振ったのです。もう絶対にその人は変わらないと僕は思っていたし、その人は何度も何度も「変わる」と言いながら変わろうとしなかったのです。けれど、その人の「今度は変わります。」という今回の言葉を、今度は変わるだろうと僕は信じることができたのです。

 「僕のそばで頑張ってみますか?」という言葉は、その人の心が僕に言わせたのだろう、と僕は本気で思っています。だって僕は、人間の本気は他者の心を動かせるのだ、と思いながら詩を書いているのですから。

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