2010年11月

~能率手帳をずっと使っていますが…~

 

 『能率手帳』という有名な手帳を約30年前から使っています。メインのサイズは官製ハガキより少し小さなものですが、もう少し小さなサイズとB6サイズ、A5サイズもあります。僕は全サイズを使ってみましたが、現在はB6サイズを使って8年目です。
 見開き2ページの左側が時間目盛り付きの一週間で、右側がけい線付きのメモになっています。このデザインが秀逸なのです。それが理由で約30年前から約25年間使っています。無論、完璧な手帳などありません。使う人には一人ひとりのライフスタイルがあるのですから。しかし、文房具好きで手帳使い(魔法使いみたいな言葉でしょ)の僕が25年くらい使ってきた使える手帳であることは事実です。
 そして事実と言えば、この30年の間に2度、手帳を製作している日本能率協会へ改善の要望を電話しました。1度目は左ページの曜日表記です。上から下へ日曜から土曜までと表記されていたのでした。もう随分前のことですが、「土日の旅行や出張もあるので、月曜から日曜の表記のするべきです。能率手帳なのですから能率や合理性を追求してください」と電話しました。返事は、「カレンダーと同じ表記にしており、何十年もこのスタイルです。能率手帳の変わらないデザインを多くの方々に支持されていますので、ご要望には沿いかねます」というのもでした。けれど2年後には、改善された能率手帳が店頭に積まれていました。
 2度目の要望は、まだ改善されていません。他のサイズの能率手帳(B6とA5のものは能率ダイアリーとなっていますが)は、カバーが黒色だけではないのに、B6サイズだけは黒しかないのです。毎年使う手帳として商品化しているのに1色しかないなんてどう考えればいいのでしょうか。ましてや能率手帳です。いくらB6サイズが一番売れないとしても、最低2色できれば3色にするべきです。ダイアリー式の手帳は、前年との照合をしたり、年末近くになると来年用の手帳に予定記入などをするから、頻繁に2つの手帳を並べることになります。それなのに1色です。
 カメラなどでも言えることですが、使っていない人や使い込んでいない人は、その道具を使い込んでいる人の意見をしっかり受け止めるべきです。誠実な使い手を宝物として扱わない会社は大きな損をしていると思いますよ。

 

 

 

~『愛することと優しさについて その3』のための詩を書き始めました~

 

 詩集を出版するとき、発行日は8月6日に決めています。その日から逆算して、前年の11月から来年の詩集用の詩を書きだします。日頃は月に5篇くらいの詩を書くでしょうか。正確には言えませんが、浮かんできた詩を書き留める“詩の下書き”は、月平均にすると5篇くらいだと思うのです。前にも月記に書きましたが、下書きといっても完成度は95%から20%です。この下書きのうち完成した詩として詩集に入るのはどれくらいでしょうか。手帳に書いた下書きから原稿用紙に万年筆で書いて詩として完成させ、担当者に渡してプリントアウトされるのが下書きのうちの40%から50%でしょう。そしてプリントアウトされた詩のうち、詩集に入るのがその50%くらいだと思います。
 ということで、一冊の詩集に100篇以上入れる僕としては、沢山沢山の詩の下書きが必要なのです。だから毎月5篇のペースだと、一冊の詩集を作るのに5年から8年くらいかかることになります。それはそれで自然な作り方でいいのですが、年齢が年齢で、しかも長生きする自信のない僕としては、たまっている思いを早くきちんとした詩にしておきたいのです。
 ということで、不自然に絞り出すのではなく、まして作り込んだ詩を書くのでもない方法を実行しています。それが、11月1日からの仕事開始です。〔来年は詩集を出そう!〕と、春か夏に決意するとします。するとその時から、〔よし! 11月1日から始めるぞ!〕と毎日毎日考えることになります。単純で真っ直ぐな僕は、そんな毎日を過ごしていたら、11月1日にスイッチがオンになるのです。
 結果、今年の11月は30日間で45篇の詩の下書きができました。作ろうとして作った詩は一篇もありません。ふっと浮かんでくるのです。読み物をしていたり映画を観ている時だけじゃなく、食器を洗っている時や買い物をしている時、寝ようとフトンに入った時や目が覚めてまだフトンに入っている時にも詩が浮かんできます。多分、24時間スイッチ・オンだと思います。もちろん、作詩家ではなく詩人なのだから、月に5篇のときも24時間スイッチ・オンなのでしょうが、詩を出す前年の11月から春までの約5カ月間は、感度のレベルが全く違うようです。
 どんな『愛することと優しさについて その3』になるのかは、まだ見えていません。でも、肉体的にも経済的にもその次の詩集が出せるかどうかが分からないので、最後の詩集になってもあきらめがつくくらいの最高の内容にしたいと思っています。

 

 

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