2008年3月

 

某日> 僕は長らく、毎日新聞と日経新聞を購読している。この1週間に、両紙のコラムに難関大学入学には財力が必要、というような内容があった。幼少期からの塾通いなどを指すのだと思う。個人的なことだが、先日、息子が大阪大学に合格した。高3になって、通信教育のZ会で3教科を学んだが、塾という所へは一度も行っていない。中1から高3の4月末まで、バスケットボール中心の学生生活だった。そんな彼が、公立学校卒の現役で合格したのだ。文武両道という彼ではなく、部活中心の彼だった。そんな彼が10ヶ月間の受験勉強で合格してしまった。そこで原因を考えてみた。僕の結論は、生まれてから小学校卒業までが大事!ということだ。簡単に言うと、①可愛がって育てる。②よく話しかけ、よく話し合う。③直接体験をさせる。④考える習慣を身に付けさせる。⑤絵本を沢山読んでやる。⑥読書の習慣を身に付けさせる。⑦絵を描いたり、文章を書いたりを楽しむ子に育てる。⑧宿題をきちんとさせる。(小学校の宿題なら大抵の親が見られるはず)。分からない問題は、考え方を教えて自らの力で解かせる。⑨友人と外遊びをさせる。⑩TVゲームは最小限にさせる。 などだろうか。簡単に言えることが簡単にできることではない。しかし、子どものために面倒だが頑張ってほしい。最後に、18歳10ヶ月で大学合格した息子にかかった全教育費(学校に払った授業料などや大学入試受験料などは除く)は、約39万円だった。18年10ヶ月間で割ると、月に1725円だった。

 

 

某日> 恩師の金子先生と御2人の小学校校長の御3方とで夕食会をした。そこで、この夏出版予定の詩集『愛と優しさの教育学概論』の話を聞いていただいた。内容は良いが、タイトルが駄目、ということになった。素直な僕はすぐにそれを受け入れ、タイトルを再考した。今は『子ども大好き!! 四つの力を育てよう』にしようと思っている。まだまだ日にちがあるので、もしかしたらまた変わるかも知れない。でもまあ、手に取ってもらえるタイトルでないと駄目なので、前のタイトルには戻らないだろう。

 

 

某日> 小田光男氏が『出版社と書店はいかにして消えていくか』という本を出されたようだ。昨年、同氏の『出版業界の危機と社会構造』という本を読んだ。大手出版社さえも苦しい内情を知った。読了してすぐの時期に、ベストセラーを幾つも出してきたS社と、自費出版最大手のS社が倒産した。ここ数年で出版件数が倍になっているのに出版冊数は特に増えていないらしい。本の売れないのを、出版件数で補っているのだろう。何を書いてもいいし、どんな本を出してもいいと思う。しかし、出版社・出版人は商品としての本であると同時に文化としての本であることを大切にしてほしい。これは、書き手にも書店にも当てはまるが「本というものは、売れないと困るが、売れさえすればいいものではない」ということを本にかかわる人間は心にしっかり持つべきだと思う。実は、ミニミニ出版社である子ども出版も無理をしながら、頑張って4作品を出してきた。この夏には5作品目を出版する。しかし、今の売れ方では6作品目は出せないだろう。熱心な読者に支えられている子ども出版だが、売れさえすればいいものではないが、売れないと困るのだ。読者の皆さんの広げる努力に期待しています。よろしくお願いします。

 

 

 

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